2014年7月26日土曜日

027:炎(藤野唯)

アルコールランプの炎(このことは誰にも内緒)ふたをして消す

026:応(藤野唯)

スカウトを夢みて芸の稽古するアシカを応援するのが日課

025:がっかり(藤野唯)

がっかりはかき氷味あの人と海に行ったとき食べたやつ

024:維(藤野唯)

どこまでも転がっていけ空しさよ食物繊維にからめとられて

023:保(藤野唯)

言い出せぬことを抱えるたびに来る資料保管庫の壁のつめたさ

022:関東(藤野唯)

関東を覆う雪雲ここからはどこを向いても果てしないゆめ

021:折(藤野唯)

死んでいった真夏のわたし恋をするきみの心を折りたかった

020:央(藤野唯)

戸惑いの夜を刃物で斬るような中央線のやさしきひかり

019:妹(藤野唯)

後輩は妹だったかもしれぬバンドエイド換えてやるとき

018:援(藤野唯)

どしゃぶりの雨がわたしを援護する今こそ彼に別れを告げよ

2014年7月3日木曜日

017:サービス(藤野唯)

寂しいと言えばいいのに泣く友よ深夜しずかなサービスエリア

016:捜(藤野唯)

女王様捜さなくとも美しい娘は何度も生まれてくるよ

015:艶(藤野唯)

黒髪の艶とノクターンの楽譜ゆるされたとは思っていない

2014年7月2日水曜日

014:壇(藤野唯)

いつまでも同じ記憶で引っ掛かるわたしの花壇踏み荒らすひと

013:実(藤野唯)

鬼灯を破いて実を取り出すように辿り着いたあなたの心臓

2014年6月29日日曜日

012:延(藤野唯)

大雨のなか延長戦12回とっくに終わった友情なのに

2014年6月27日金曜日

011:錆(藤野唯)

ぼろぼろと落ちていく錆あの人の宝箱を開けるんじゃなかった

010:倒(藤野唯)

あの人のいないところで倒れても意味なんてなく捨てるレシート

2014年6月26日木曜日

009:いずれ(藤野唯)

あの頃に戻ってやり直してみてもいずれは見ることになる景色だ

008:原(藤野唯)

原っぱに響く鈴の音 結局は誰のものにもなれなかった

2014年4月16日水曜日

007:快(藤野唯)

もういいのもういいのです憧れも見ないふりして帰る特快

2014年4月14日月曜日

006:員(藤野唯)

コンビニの店員も会話した人に数えてほころびだす新年度

2014年3月28日金曜日

005:返事(藤野唯)

ありがとうちゃんと切り離してくれてあなたの返事を抱いて落ちてく

2014年3月27日木曜日

rew de rewの服

主婦(しかも引きこもり)をしているとどんどん外見に無頓着になっていくので、
(そしてそれを旦那に注意される)
雑誌を買ってもらった。
ほんとは違うのを買うつもりで行ったんだけど、付録使わなそうだったので
せめて使いそうなロクシタンのバッグがついてたinredにした。
可愛いものがたくさん載っててそれはもう目の保養になりました。


会社員をしてた頃、rew de rewの服が好きだった。

仕事が終わったあととか、ひとりの土日に近くの店舗に行って、
よくしてもらっていた店員さんに服を選んでもらってた。
その人は私に似合う服をいつもしっかり考えてくれて、
試着してる間にさらにそれに似合う服とか小物を用意していて(やり手)、
選んでもらった服を会社に着ていくのが楽しかった。
その人のことは信頼しすぎてて、
「きょうは何をお探しですか?」って言われても
「決めてません!お任せします!」みたいな感じ。
さぞかし面倒な客だっただろうな。
もうちょっと決めてから行けよ。


お世話になり始めて一年ほどして、その人は外出ついでに寄るには遠すぎる街に異動になり、
(異動先で店長に昇進するって言ってて、とても納得した)
ほどなくして私も寿退社となり、以来その店には行っていない。

一着はっせんえんとか、いちまんにせんえんとか、
主婦になった今ではなんつーことをと思うけど、
当時の私にはそれが張り合いだったんだ。


自由なようでやっぱり制限がたくさんある日常になってから、
張り合いとか生きがいみたいなものは本当に大切なんだなと思った。
このあとも見つかるといいな。
結婚してからどうもまだ自分の立ち位置に落ち着かないというか、ふわふわしている。

2014年3月25日火曜日

004:瓶(藤野唯)

あなたへの気持ちは全部捨てたのに残った瓶のたしかな重さ

あきらめてぐうたらしましょうの会

買い物をしたいけどなかなか街に外出できないので、フェリシモのサイトとかを見て癒されている。

長らくブログを触っていなかったので、
こないだ更新するときパスワードを変更していたのをすっかり忘れてて焦りました。
スキンを変えたりブックマークなんかもちょっと整理しました。

今までは短歌に関しても生活に関しても、
謎の「今のうちにこれやらなきゃ」感が多かったんですが、
(そして考えすぎて結局何もしない)
最近はいい感じにあきらめがついたというか、
まあなるようになるというか、
わかってくれる人だけわかってくれればいいとか、
そんな感じになりつつあります。
(生活に関しては焦ることもまだまだ多いんだけど)

返ってこないメールもあれば、
自分が逃げ続けている関係もあって、
人ばかりを責めていられない。
すぐ誰かのせいにしたがるのはわたしの悪い癖です。



2014年3月24日月曜日

003:育(藤野唯)

たまごっち育てるのがへたくそだった街でごねる子ばかり目につく

2014年3月23日日曜日

002:飲(藤野唯)

楽しげな話だけしかしないとこ嫌いで苦い唾液飲みこむ

「百歌繚乱」にいただきました

梅の咲く庭で小さな石になる大事にされていたと知るため

参加します(藤野唯)

少しずつがんばります。
よろしくお願いいたします。

春が来た

まだまだ寒い日もあるけど、春が来ました。
実家に帰ってきています。

2ヶ月前に祖母が亡くなりました。
怖くて自分の手帳の日記にも書けなかったけど、書かないままでいると忘れてしまうんだよね。
94歳でした。大往生だよ。
間に合わなかったなと思うこともあって、
考え出すと涙が出るんだけど、
きっといつだとしてもそう思ってしまうものなんだろうな。
もう十分大事にしてもらえました。
自分よりも子や孫を優先する、たくましくて優しい人でした。

最後に話ができてよかった。
最後までぼけずにいてくれて、ばあちゃんありがとう。

私が生まれたころから、
兄や私が家を出てからもずっと一緒に住んで面倒を見ていた両親に感謝します。
ばあちゃんも幸せだったよね。
ここから恩返ししなければ。


庭にたくさん梅の花が咲きました。
ばあちゃんが愛でていた庭や畑、少しずつ両親が引き継いでいます。
ふたりでじゃがいも植えたんだって。
楽しみだね。