2011年1月26日水曜日

おすそわけ 第31回「成人式」

大人なんかじゃなかった



イマイさんこんばんは。
私にとっては新年初のおすそわけ更新です。

新年といえば、今年は年賀状を送ることができてよかったです。
いただいた年賀状、すごくイマイさんらしくて素敵でした。
今年も、どうぞよろしくお願いしますね。


前回の「日本酒」、更新をとても楽しみにしていました。
「十四代」と「花泉」、飲んでみたいなあ。
お正月に実家で日本酒を飲んだけれど、心なしか去年よりも自然に飲めました。
それまではお正月に儀式的に一杯だけ飲む、という認識だったので…。
これからいろんな日本酒を飲んでみたいです。
またいろいろ教えてくださいね。


先日は成人式の日でしたね。
私の田舎は小さな町で、ひとつの町にひとつしか中学校がないので、
成人式は自然と「中学の同窓会」でした。
正直、地元にはよく遊ぶような友達がおらず、
また中学時代を思い出すとほとんど恥ずかしい記憶しかなくて、成人式に出るのはすこしだけ憂鬱でした。
だけど一生に一回ということはわかっていたので、
振袖を選び、前撮りをして、式にもきちんと出ました。

振袖は黒地に花がちりばめられているものを選びました。
前撮りの日、着物屋さんに私を預け、両親は買い物に出かけました。
初めて着る振袖は苦しくて重くて(お腹にタオルを3枚も巻きました)、
最初は歩くのもやっとでした。上手に笑えないし。
両親が迎えにきたとき私はまだ撮影の途中で、すこし恥ずかしかったのを覚えています。
帰りの車の中、父に「綺麗だった?」と何となく聞いてみると、
「綺麗だったよ」と、前を向いたまま答えました。

式の日はほかの女の子同様、朝早くに起きて美容院へ行きました。
会場で見る懐かしい面々の中、
私はやっぱり未熟だった当時のことをたくさん思い出してうつむきがちでした。
だけど、中学3年間担任をしてくれた恩師と会えたり、
当時お互いが嫌い合っていただろうなと思っていた男の子が話しかけてくれたりして、
すこし、来てよかったなと思えました。
そのあとの同窓会には出ずに家に帰り、玄関先で両親や祖母と写真を撮って、
振袖を脱ぎました。
軽くなった身体でくつろぎながら、ぼんやり式のことを思い出していたと思います。
次の日には、大学のために東京に戻りました。


黒い振袖はきっと似合っていなかったと思います。
20歳になっても、大学へ通うために一人暮らしをしても、
大人なんかじゃなかった。
今だって、あれから5年も経つけれど、全然大人にはなれません。
働いていてもうまくいかないことばかりで、
むしろ「もう大人なのだから」と無理やり思うことのほうが多いです。
いつも、悲しいことがあっても黙って受け入れられる大人になりたいと思っていたのに。
なれるかわからない「大人」は、もしかしたら性格の問題かもしれないけれど、
なれるとしてもまだ時間がかかりそうです。



「綺麗よ」と言われうつむく 喜んでもらうために着た振袖で(藤野唯)



+++


イマイさんが夏の成人式だったというのは、冬に雪がすごいからでしょうか。
イマイさんの「ハタチ」も聞いてみたいです。

次回のお題は「字」です。
上手い下手ではなく、手書きの文字がなんだか好きです。
更新は約2週間後、イマイさんのブログで。

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