2009年12月29日火曜日

手を振ったけれどあなたはお辞儀した

ほんとうは指摘したくてたまらない いつも納得してないきみを

あのころの彼女と今のわたしとは何が違うのだろうね 時雨

嘘だってわかっていても「わかった」と言うのを知っててきみは嘘つく

必要じゃないものに会いに行きたくて動物園のゲートをくぐる

テレビでは男と女が言い合って 「あんなふうにはなれなかったな」


2009年12月22日火曜日

Unknown

真夏のクリスマス


イマイさん、こんばんは。
えいみーとのクリスマス企画と、ちょっと時期がかぶってしまったので、すこしだけ遅らせてしまいました。

前回の、「ゆいちゃん」とても嬉しかったです。
よかったらこれからも呼んでください☆
そしてイマイさんの、自分のための時間。
私はお香とか、アロマとか使ったことがなかったのでとても新鮮でしたが、
やっぱり香りのいいものは好きです。
シャンプーだとか、ハンドクリームとか、ささいなものでも出来るだけいい香りのものを選ぶようにしています。
甘すぎるものや強すぎるにおいは苦手ですが、ちょっといい香りがするとほっとしますよね。




さて、今回のキャンドルのお話ですが、実は夏の話です。

私は高校のころ合唱部に所属していました。
公立だったので特にキリスト系の学校だったとか、そういうことではないのですが、
よくうちの合唱部はラテン語の賛美歌を歌っていました。
最初こそ発音だとか意味のわからない言葉に戸惑っていましたが、
賛美歌は音がはまるとほんとに、ほんとうに綺麗なのです。
私はすっかり魅せられてしまって、
自分たちが歌わない歌のCDも顧問の先生に借りて、よく聴いていた覚えがあります。
特にクリスマスの歌のCDはお気に入りでした。
録音したものが実家にあると思いますが、時期的におそらくMDです。

私たちが引退するのは、3年生の夏でした。
毎年定期演奏会を開くのが7月末あたりだったのです。
その年の演奏会に、ひとつの部として、賛美歌を4,5曲歌うことになりました。
そしてその1曲目に、照明を落とした舞台上を部員がキャンドル(厳密にはランタン)を持って歌いながら歩く、という演出をしたのです。


Hodie Christus natus est
hodie salvator apparuit
(きょう、キリストはうまれた
きょう、救い主はあらわれた)


暗闇をさまよういくつもの小さな光。
演奏会が行われているホールを出れば真夏、きっと日照りと蝉の声があったはずなのに、
クーラーのきいた客席には、そのとききっとクリスマスの空気が降りたと思います。
そうであったならいいなあと、今でも思います。


今もふとどこかで賛美歌を聴いたりすると(最近では小雪のTVのCMであったかな)、舞台からの視界が思い出されて、何とも言えない気持ちになります。
歌っているときに舞台の上から見た照明の光は、いつもまぶしくて、かみさまのようでした。


歌声と光の区別がつかなくて あれはかみさまだったのだろう(藤野唯)






なんだか「キャンドル」とは少しだけはなれてしまいましたが、
キャンドルの思い出がこれしかないような気がしたので。。。すみません。
さて、次回の更新は新年です。
約2週間後、イマイさんのブログで、お題は「年賀状」です。
みなさま、よいクリスマスを。

2009年12月20日日曜日

Unknown






こんなにも哀しい曲の溢れてるクリスマスイブを抱きしめたくなる




扉を開けた瞬間、「あ、寒い」、と思った。
当然だ。雪が降っている。知ってたけど。
それでも扉を閉めてしまった。
外に出てきてしまった。
アパートの階段を下りる。
ここで待っていればそのうち彼女に会えるかも、とか思ったが、やめておいた。
結局はそんな度胸もない。
みじめになるのを承知で、5分ほど前までいた部屋のあったかさを思った。
5分ほど前、ふいに鳴った携帯をしばらく見つめて、彼はぽつりと言ったのだ。
「江美ごめん、今日は帰ってくれる?」
彼が何を言っているのかすぐにわかった。
というか携帯が鳴ったあたりでもうなんとなくわかっていた。
窓の外を雪がちらついているのも知っていたけど、ちゃんと言うことを聞こうと思った。彼を安心させたかったからだ。
怒らせたくもなかったし、泣きたくもなかった。そもそも今日は、そんな気分でもなかった。
いつも通り遊びに来て、あったまりながら今朝買った雑誌でも読んで、しばらくしたら帰ろうかと思った。彼がよければご飯でも食べて。
そんなに毎日会っているわけではないのに、会いに来た日に限って彼女が来るという。でも別に、それすら珍しくなかった。
私は2番目だから。
それを承知で付き合っているのだからこういうときは大人しくすると決めたのだ。

今目の前にはうっすらと雪が積もり始めていて、なんか私、かわいそうみたいだとふと思った。思って、私はどうしたいんだろうと思い直した。
そしてすこし、苦笑した。

彼の部屋を出ようと玄関に立ったとき、扉の向こうの寒さをすこしだけ感じた。
そして、これからその寒い中を一人で帰る自分のことを思った。
思ったら少しだけ、泣きそうになった。
立ち尽くしている私を不審に思ったのか彼が声を掛けてきた。
「江美」
「うん?」
素直に応える。
「ごめんね」
「いいの」
わがままは言わない。でも、
「宏」
「なに?」
でも。

「今日、私、かわいい?」
不自然なくらい明るい声で振り向いてみる。
そこにはすこし拍子抜けした彼がいる。
「何だよ急に。かわいいよ」
そしてキスをもらう。それでよかった。それで、いいのだ。
そして私は、扉を開けて出てきてしまった。
雪の降っている外に。手を振りながら笑って扉をしめたりして。
でも、いいんだ。
いいんだ。
2番目でも、「来ないで」と言われるのが彼女でなくても、
私といるのが暇つぶしみたいなものでも、
「悪いけど別れてくれる?」とかいつ言われたっておかしくなくても。
今日がこんなに寒くても、雪が降っていても、
たまに褒めてもらえれば、私はそれだけでこんなにうれしい。
さくさく、という自分の足音を聞きながら、なぜか私はスキップでもしてみようとか思っていた。




雪の中ヒールを履いてスキップで帰れるくらいの褒め言葉を言って


カシミアのコートの手触り確かめて大切にされてみたくなる冬


(絵・短歌 安藤えいみ/ストーリー 藤野唯)







クリスマス直前ということで、えいみちゃんの短歌にストーリーをつけさせてもらって、さらにそれにえいみちゃんが絵を描く、というコラボを載せました。

えいみーの絵って大人っぽくて素敵だよね。質感といい。
今回の絵も冬っぽくてお気に入りです。
えいみーの絵が私のブログに貼ってあるなんて、ちょっと新鮮で不思議。笑

もうどこ行ってもクリスマスソングが流れる季節です。
昨日はファミレスで広瀬さんとか流れるから、ゲレンデ行きたくなっちゃった!


2009年12月17日木曜日

だいじょうぶ、わかってる

まだすこしきっかけが要る 「飲んでみる?」って新しい午後ティーを差し出す

他人事(ひとごと)のようなスキです今のうちせいぜい序章を楽しんでおく


手遅れと気が付いたのは返信を打つ時間を計算してるとき

こんなこと友達が本気で言ったらきっと私もあきれるだろう

だいじょうぶ友達はみんなわかってる 全部ちがうし全部ただしい

他人事のように笑うよねほんとうにどうせ他人事なんだろうけど

同罪と思ってないね? いつだって逃げられるって思ってるでしょ


わかってるわかってるって言いながら 結局ぜんぶ許して眠る

2009年12月4日金曜日

おすそわけ第6回更新のおしらせ

イマイさんのブログ「ゆびおり短歌」にて、おすそわけ第6回が更新されています。
お題は「自分のための時間」。

ひとりの時間はすきです。
ひとりすぎるとさみしいですが、なければいけないものかなあとは思う。
イマイさんのひとりの時間は、ゆったりとした、疲れた自分のためのものでした。


ぜひご覧ください