2009年11月18日水曜日

おすそわけ 第5回「秋」

まっすぐな秋


イマイさんこんばんは。
最近とても寒いですね。こたつが愛しくてたまりません。


「雨」では、とてもかわいい思い出をありがとうございました
高校生のイマイさんを思い浮かべて、ほっこりしてしまいました。
なんとなくイマイさんと雨は似合う気がして、このお題にしました。
新しい傘を買うと、すこしだけ雨が待ち遠しくなりますよね。



さて、秋、というお題を聞いたとき、
すぐに浮かんだことがあって、でもおすそわけとして書くのはどうかなあと躊躇ったのですが、
自分とは切り離せない思い出だし、
イマイさんに聞いてもらいたいことでもあるので、書くことにしました。
なんだかなあ、と、思ってしまったらごめんなさい。


4年前の秋に、私は大きな失恋をしました。
その人は、私にとってほぼ日常となっているほど近しい存在だったので、
当時はどうやって日常から彼をなくせるか、必死だった気がします。


実は、私の失恋の短歌は、ほとんどこの人のことを歌ったものです。
朝、目がさめれば泣き始め、
その日眠るまでほとんどを泣いてすごしていたような毎日が、
よほど自分には衝撃的だったのかなと思っています。


その日は、こんな風にとても寒かったと思いますが、
私はイヤホンをして、デジカメを持って大学に写真を撮りに行きました。
何かしていないと、とにかく泣きそうで怖くて、
30分でも1時間でも、他のことで気を紛らわしたかったんだと思います。

私の大学には、すこしだけいちょうの並木道があって、
ちょうどこの時期あたりから染まり始めていたと思います。
その頃にはもう本当に真っ黄色で、
その日私はそれを何枚も何枚も撮りました。
ひたすら大学構内をぐるぐる歩きながら、かけていた音楽を耳が痛くなるほどリピートしていました。
当時の写真フォルダを開くと、画像一覧が全体的に黄色くなっています。
なにかをもともと持っていたわけではないけど、
なにかをなくしてしまったような私には、
その色はまっすぐ入り込んできて、
この秋も、これからやってくる冬も、その日むかえる夜もつぎの朝も、
これは現実でしかないんだと、思い知っていました。



あの人の抱くだろう肩 中庭のいちょうに埋もれる声あるいは息(藤野唯)




そういえばさいきん、いちょうの木を見ていない気がします。
次回のお題は、「自分のための時間」です。
更新は約2週間後に、イマイさんのブログで。

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