2008年10月29日水曜日

Unknown

題詠2008、完走しました。
最後はどうしても急ぎ足というか、怒涛のダッシュになってしまい、
丁寧さが欠けてしまった部分も多々ありますが、
ともあれ去年は書けなかったこの記事を今年は無事に書くことが出来ました。
ありがとうございました。

100:おやすみ(藤野唯)

気が遠くなるほどおはようおやすみを重ねていこう家族になろう

099:勇(藤野唯)

正しくない勇気もあるけどその腕を選んだのは正しかったんだよ

098:地下(藤野唯)

デパ地下で買ったプリンを愛というそんな毎日を続けていこう

097:訴(藤野唯)

訴えることなんてもうなくなってしまったのにまだ手を離せない

096:複(藤野唯)

複製を繰りかえしてたらいつからかただのニセモノでしかなかった

095:しっぽ(藤野唯)

うなだれたしっぽを手でなんとか振った君が気づいたかはどうでもいいんだ

094:沈黙(藤野唯)

そんな沈黙なら全部いらなかった話したくないとか言ってくれれば

093:周(藤野唯)

惨めって言葉のままに泣きながら周りのものを投げつけた夜

092:生い立ち(藤野唯)

秋晴れの日に縁側で聞いている7回忌過ぎた祖父の生い立ち

091:渇(藤野唯)

いつの日か君を飲み込んでいる海が全部渇いたら教えてほしい

090:メダル(藤野唯)

どうせなら信じてあげたっていいんだ きらきら光るメダルがなくても

2008年10月28日火曜日

089:減(藤野唯)

減るような気がしてならなかったのはたぶん愛ってことなんだろう

088:錯(藤野唯)

今ドアを開けたら部長が怒ってた気がするたぶん錯覚だけど

087:天使(藤野唯)

湯豆腐を天使と分けたふたりとも泣いてたたぶん夢だったけど

086:恵(藤野唯)

恵まれてるんだけどねという君の愚痴も持論も恵まれている

085:うがい(藤野唯)

今日も無事君が帰ってくるように丁寧にする3度目のうがい

084:球(藤野唯)

叶わないことなんてもう知っていただからいいんだ球場の恋

083:名古屋(藤野唯)

朝5時に名古屋に出張する人のために焼いてる厚焼き玉子

082:研(藤野唯)

形見とか嫁入り道具じゃないけれどいつしか母にもらった研ぎ石

081:嵐(藤野唯)

突然の嵐だ今朝切ったばかりの爪で君をひっかいてしまった

2008年10月27日月曜日

にゃー。

今日11首詠んだー。
ついに80首台に突入です!
なんだかやっつけ仕事的になってきて悲しいけど、
できるだけ丁寧に詠みたい。


もっともっとたくさんの短歌を読まなければ。
たくさんの言葉を吸収したい。

080:Lサイズ(藤野唯)

迷わずにLサイズの卵を選ぶことにもちゃんと訳があるのかい

Unknown

幼稚園児の頃していたいたずらや初恋のこととかを聞かせて

078:合図(藤野唯)

ほんとうは今すぐにでも駆け出せるけど合図してほしいしてほしい

077:横(藤野唯)

真夜中の横断歩道にたおされてそのままふたりで祈りとキスを

076:ジャンプ(藤野唯)

かみさま もうわたしこんな鍵いらない あのひとのとこへジャンプできるなら

075:量(藤野唯)

ちょっとだけへこんでいるはずだったのになにか分量を間違えたらしい

074:銀行(藤野唯)

銀行に行くだけなのにどんどんと歩いてしまう いいことがあったから

073:寄(藤野唯)

寄りかかるものはいらなくなったけど処分できないまま3日間

072:緑(藤野唯)

深い深い緑のカーディガンを着るただ愛してるを言うためだけに

7割

去年に引き続きやってきました。怒涛の追い込みです。
ただいま71首です。一日平均5、6首と闘い続けてます。
それにしてもぎりぎりすぎる。
行けるとこまで頑張ります。
楽しんで短歌を詠めるように。


なんだか、たくさん短歌を読みたくなってきてしまった。
投稿歌人さんたちのところにもお邪魔しつつ、
佐藤さんとか、新刊まだかしら。と楽しみにしてます。

071:メール(藤野唯)

さっきからメールばかり見てるのに何も言ってくれないんだね

070:籍(藤野唯)

永遠が手に入るわけじゃないけれどきらきらに負けて籍入れたんだ

2008年10月26日日曜日

069:呼吸(藤野唯)

そしてその時の彼女は呼吸すら上手に出来ていなかったんだ

2008年10月24日金曜日

068:踊(藤野唯)

踊ってることはわかってましたでももういいよって言ってほしくて

067:葱(藤野唯)

熱出して寝ている人のために切る煮込みうどんの葱厚く厚く

066:ひとりごと(藤野唯)

ひとりじゃないときのひとりごとだなんて聞こえてほしいに決まってるじゃない

065:眩(藤野唯)

その腕に自由にさわれることに目が眩んだことから始まった恋

064:可憐(藤野唯)

ああ今の皮肉だったのか可憐すぎて一瞬わからなかった


2008年10月22日水曜日

Unknown

ふと親に元気ですと言いたくなった ふたつのスリッパ干してるベランダ

062:浅(藤野唯)

それは浅い感覚からの始まりであなたの声が合図になって


061:@(藤野唯)

ぐるぐるの@を抜け出してチャリの空気入れて会いに行く

060:郎(藤野唯)

新郎が号泣する結婚披露宴なら出席したっていいよ

059:ごはん(藤野唯)

鍋の火を止めると雨の音がした おかえりなさい、ごはんできてるよ

2008年10月20日月曜日

058:帽(藤野唯)

似合う帽子が欲しいと言いながらいつでもいいやと思ってもいる

057:パジャマ(藤野唯)

漂白剤をパジャマにかけてたくさんの涙を抽出しようとしている

056:悩(藤野唯)

ペチュニアがうまく育たないのが悩みだと笑う彼女の過去5年間

055:乾燥(藤野唯)

泣きながらいつもひどく乾燥してる君の人差し指を思った

2008年10月19日日曜日

054:笛(藤野唯)

あの人の下手な口笛を聴きたいこんなに上手なやつなんかじゃなく

053:キヨスク(藤野唯)

会いたくもなくて1本遅らせた 代わりにキヨスクの人に挨拶

052:考(藤野唯)

何も考えずに走り続けてた自分を思い出す橋がある

051:熊(藤野唯)

シンダフリしてても抱きしめてくれる熊がいるなら結婚したい

050:確率(藤野唯)

自販機でちがう飲みものが出てくる確率くらいで怒るのだろうか

049:礼(藤野唯)

謝られてるのにお礼を言ったのは思い知らせたかったからだ

2008年10月16日木曜日

047:凧(藤野唯)

凧がひとつふたつ揚がっている土手で考え事がしたい日曜

047:ひまわり(藤野唯)

ひまわりが好きだなんていう子にはそんなこと言われたくなかった

046:設(藤野唯)

プレハブで出来た仮設の心臓です今2度目には耐えられません

2008年10月15日水曜日

許したら

許したら忘れてしまうと昨年の日記に書いてあるのを見つけた

泣きたいだなんて言い出せるわけがなかった曇りの日の観覧車

手もつなげないまま置き去りにもされず 笑っていたら泣かれてしまった

言えるような理由のひとつでもあれば笑って許してくれるんですか



2008年10月2日木曜日

Unknown

今年も来てしまいました。
なにがって、題詠blogのしめきりがもうすぐそこに。
今年は去年から飛躍的に45首まで来ましたが、
ここからどこまでいけるかが楽しみだったり微妙だったりします。うふ


歌人さんたちとお知り合いになりたかったり、短歌の世界を広げたくてmixiにいるんですが、
声をかけられないでいます。小心者…
トップページや日記の短歌を見て気になってしまった人が何人かいます。
さかいさん助けてください(笑)



045:楽譜(藤野唯)

合唱の楽譜を抱きしめた廊下あなたの制服に触れたかった

044:鈴(藤野唯)

握ってはいけないその手を触ろうとしたとき鈴が鳴った気がした

043:宝くじ(藤野唯)

宝くじ売り場はどこにでもあるので目印になんてしないでください

042:鱗(藤野唯)

京都に来て鯉の鱗を見ていてもわざわざあなたを思い出してる

041:存在(藤野唯)

私のためだけに生きる一瞬があなたに存在すればいいのに