2008年2月27日水曜日

朝露

朝露にすべてが消えるわけじゃないけれどきらきら光ってた街


+++


ひどい恋だった。
今思えば、どうしてあの人は自分と付き合っていたのかがわからない。
付き合っていた期間の8割くらいは不安定で、
まあつまり幸せだったのはほんの一部で、
私は泣いてばかりいた。



彼は大学院を卒業するので3日間くらい引越しの準備を手伝った。
卒業式の前夜そのまま部屋に泊まって、朝私は先に彼の部屋を出た。
駅への道を歩きながら、
ホームで電車を待ちながら、
もうこの駅に来ることはほとんどないだろうと思った。
朝の光がきらきらしてて、私は電車の中でアンジェラアキの「サクラ色」を聴いていて、
この曲を聴くたびに彼の卒業を思い出すんだろうなぁって思った。


ひどい恋だった
この3ヵ月後くらいに私は大好きだったそれを手放すことになる。
もうお互いがぼろぼろで、大好きだったはずなのに、
終わってみたらそれは笑ってしまうくらいに解放だった。


それでも彼の街を思い出すと、なぜか部屋を出た後の朝のきらきらした光が浮かぶ。
私の部屋には、しまったままの彼の部屋の合鍵がある。
もう、これはあの部屋を開けるものではなく、
もう、あの部屋に彼はいないけど。




勝手に題詠つづき081「露」です。
たまにはこんなのもいいかなと思ってつけてみました☆

0 件のコメント:

コメントを投稿